どん底女と救世主。
一日仕事をこなすと、一応は課長のマンションに戻った。
課長が帰って来ないと分かってるこの部屋で過ごすのは忍びないけれど他に行くところもないし、何より私がここに居たかったから。
課長の帰りをこの部屋で待っていたかった。
とはいえ、やっぱりひとりは寂しい。
特にこの部屋は広いから、尚更のこと。
大根、1本は多かったな。ひとりじゃ食べきれなさそう。
台所に立ってご飯の準備をしようとして、自分の買い物が少し多かったことに気が付いた。
課長は割と食べる方だったから、つい食材を買いすぎてしまう。
課長、今頃どうしてるかな?
こっちの仕事も片付けないといけないだろうし、寝る暇ないんじゃないかな。
大丈夫かな、心配だ。
自分から逃げ出したくせに、課長に会いたくて、話したくて堪らなくなる。
いっそ電話してしまおうか。
いやいや、忙しいんだからそれはしたらダメだ。
そんな葛藤をしながら、数日を過ごした。