どん底女と救世主。
痛いほどの沈黙がミーティングルームに走る。
その沈黙が本当はどのくらい続いたのかは分からないが、私にとっては本当に長い時間で。
最早、胃すらも痛くなってきたとき、深山主任が口を開いた。
「お前、一体何をしたんだ」
「へ?」
深山主任の口から出た言葉があまりにも唐突過ぎる質問で、私も素っ頓狂な声をあげてしまう。
何のことだか分からずにいると、主任が続けた。
「最悪だぞ」
「な、なにがですか…?」
「お前の人事査定だよ。このまま行くと異動どころか左遷だぞ」
そこまで言われてようやく思い当たる。
思い出すのは、昨日人事部の仙崎さんから伝えられた内容。
希ちゃんがありもしないイジメの事実をコンプラ部に訴えたおかげで浮上した私の左遷話のことだ。
この人にまで話がいっているのか。