どん底女と救世主。



え、課長今なんて言ったの?

ここに住めって言った?
え、ここって深山主任、いや課長の家だよね?

課長と一緒に住むの?え、というか何故終始命令口調なんだろう。


全く予期していなかった展開に頭は真っ白。
なんでこんな展開になったんだ。


「私が、課長の家で課長と一緒に住むってことですか?」

「ああ」


ああって、そんな当たり前ですが何か、みたいな顔されても…。


「いやいや、なんの冗談ですか」

「冗談言ってるように見えるか?」


私の飲み込みの悪さへの苛立ちなのか、若干眉間にシワまで寄せる課長。

とても冗談を言ってるようにはみえない。
冗談じゃないの?そっちの方が困る…。



「ちょっとそれは…。さすがに出来ません」

「じゃあお前どうするんだ」

「土日の間に新しい家を探します」

「10月の異動時期だぞ。部屋なんか簡単に見つかる訳ないだろ」


たしかに…。4月ほどではないだろうけど、不動産業界の忙しい時期ではある。


でも、だからと言って上司と部下の同居生活ってどうなの?!



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