どん底女と救世主。
というか、この数日間のホテル生活の中でアプリを使いそんな条件の物件を検索してみたものの全くヒットは無し。
条件を下げてもなかなか空きなんてなく、途中で嫌になって探すのを止めたのが現実。
休みの間に不動産屋さんに直接行ってなんとか見つけないと、とは思ってはいたものの難航する気配が満ちていてうんざりしていたところ。
そこに、この話は正直美味しい…。
ありえないと思っていたはずの課長の提案。
けれど、あまりにも私にとって良い話過ぎて気持ちがぐっらぐらと揺れている。
この際、何も考えずに誘いに乗ってしまうのも手だと考え始めたとき、
「ただし、条件がある」
課長は静かにそう言った。
ーー来た。
この世の中、美味しい話には裏がある。
優しい課長には裏がある。