どん底女と救世主。
だいたい相談されただけなのに、そのまま家まで連れて帰るってどういうことなの。
そういうのじゃないって、じゃあどういうのなの。
そんなふざけた言い訳を始めようとする勝に、ふつふつと怒りが湧いてくる。
落ち着け、咲。今更こんな浮気男に怒ってどうする。
「…咲、ほんとうに俺たちこれで終わりなのか?」
「…そうだよ。」
こうなる原因作ったのは誰だと思ってるの。
なに傷ついた顔してるの。
そんな顔に、一瞬、本当にほんの一瞬だけほだされかけたけど、すぐにあの夜のふたりの光景が頭に浮かぶ。
やっぱり、だめだ。私はもう勝を信じることなんて出来ない。