どん底女と救世主。



ーーーえっ?!



『そうでしょうね』と納得したように、深山課長とよく似たその整った顔で頷くお姉さんに、私からはもう否定の言葉なんて出ない。


え、今課長、私のこと彼女って言った?

あ、もしかして課長、私のことを話すのが面倒くさかった?

確かに、私の込み入った事情を話すより、このままお姉さんの勘違いした通り恋人設定で行く方が楽といえば楽だけど…。


ちらりと、隣でラグの上に胡座をかいている課長の横顔を見るけど。

なにを考えてるんだろう。全く読めない。


大方説明するの面倒くさかった説で合ってるんだろうけど。


結局、空気を読んで課長の彼女に徹した私は、課長のお姉さんから繰り出される質問攻撃に耐えた。

まあ、ほとんど課長が適当にかわしてくれたんだけど。



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