あの双子に恋しては、いけない
「へへっよく俺も春にぃと間違えられるんだ」
「へ、へ~」

 もう、驚きすぎて顔も硬直している。

「熱は無いよな?」

 心配そうに眺めていた春が奈々に近づき、細い手を奈々のおでこに当てた。


 う、あぁ。

 触られてる。

 余計暑くなっちゃうよバカ!

「ん?顔赤いぞ?」

 静かに見てたハズの太陽が、奈々の顔を覗きこんだ。

 近い、近い!

 同じ顔の二人のイケメンに看病されてる!


「も、もう大丈夫!顔近づけないでバカ!」


 恥ずかしくて、太陽をドンと押し飛ばす。

 困った顔をして太陽は椅子から立った。


「バカはお前だ。風邪か何か知らねぇけど、無視すんじゃねぇよ」

 ツンッと太陽は奈々のおでこを弾き、自分のバックを手に取った。

 なに今のツンッて!
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