あの双子に恋しては、いけない
 奈々は口を手で覆うと、香の方向を向いた。

「わ、私は窓花」
「奈々ちゃんだよね?奈々ちゃんって呼んでいい?」
「あ、うん。良いよ」

 香は奈々の言葉を遮って話した。

 それに対して、奈々は緊張で目が泳いでいる。

「奈々ちゃん、昼休みに、一緒に学校探検しようよ!」
「おい、何話してるんだ?香」

 学校探検か~そんなこと考えている奈々の目の前に、スラッとした体型の、男子が現れた。

「奈々、だよな。宜しく。俺は、緑。木戸緑」
「う、いん。宜しく。木戸くん」

 木戸緑くんか~。

 何だかスラッとしててカッコいいな~

「じゃあ、宜し」
『キーンコーンカーンコーン』

 遮るように、授業開始のチャイムがなった。

 そんなチャイムに「けっ」と悔しそうな声を出し、木戸くんは自分の席に戻っていった。
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