あの双子に恋しては、いけない
 授業は、前の学校と変わらず、あまり、楽しいとは言えない授業だった。

 勉強は苦手では無い奈々は授業を退屈そうに聞いた。

 真面目に聞かずとも、分かるからだ。


 前半四時間が過ぎ、遂に待ちに待った、昼休みになった。

 奈々はお母さんが作ってくれた、お弁当を持ち立った。

「ん~。じゃ、行こっか」

 疲れた!と、言わんばかりに大きく伸び、香はお弁当を持ち奈々の手を取った。

 グッと腕を引かれ、奈々は廊下に連れていかれた。

 奈々は香に引かれるがままに、屋上まで連れていかれた。


 屋上に上がると、香はドサッと座り、お弁当を開いた。

 奈々も、それを見て、正座をして膝の上でお弁当を開いた。

 好きなアーティストや、好きな食べ物、飲み物、前の学校についてなど、色々な話をしながら、二人はお弁当を食べていった。

「じゃあ私、仕事あるから、先に教室戻っていい?」
「うん。いいよ」

 香は奈々に手を振り、屋上を出ていった。

「行っちゃったな~」

 最後の、卵焼きを口に運びながら、奈々は屋上の扉を眺めた。

 屋上には、あまり人が来ないのか、十数人ほどしか生徒がいなかった。

 お弁当をすべて食べ終わり、奈々はお弁当箱を片付けた。


 屋上を出て、三階の廊下を歩いていると、二人の男子が、走ってきた。

 危ないな~そんな事を思っていると、その男子達は奈々の方向に走ってきた。
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