あの双子に恋しては、いけない
「大丈夫?」
とっても、低くて唸るような声。
かっこよくて、クラクラしそうで。
「は、はい。大丈夫です」
緊張しながらも奈々は、無事を伝え会釈をした。
「良かった」
ニコッと笑い、その男子生徒は、トロフィーを元の位置に戻した。
「ここ、危ないよね。俺も前、ここで落としかけたんだ。トロフィー」
「そ、そうですよね」
声が震えているのが自分でも分かった。
「じゃ」
軽く手を挙げ、男子生徒は奈々に背を向けた。
「ま、まって」
「ん?」
「名前は、名前なんて言うんですか?」
「島野。島野春」
背を向けたまま名前を伝えると島野くんは、去っていった。
その小脇に大事そうに抱えられていた、一冊の本を奈々は見逃さなかった。
「三國志、好きなのかな?」
って!早く教室に戻らないと、香が待ってる!
とっても、低くて唸るような声。
かっこよくて、クラクラしそうで。
「は、はい。大丈夫です」
緊張しながらも奈々は、無事を伝え会釈をした。
「良かった」
ニコッと笑い、その男子生徒は、トロフィーを元の位置に戻した。
「ここ、危ないよね。俺も前、ここで落としかけたんだ。トロフィー」
「そ、そうですよね」
声が震えているのが自分でも分かった。
「じゃ」
軽く手を挙げ、男子生徒は奈々に背を向けた。
「ま、まって」
「ん?」
「名前は、名前なんて言うんですか?」
「島野。島野春」
背を向けたまま名前を伝えると島野くんは、去っていった。
その小脇に大事そうに抱えられていた、一冊の本を奈々は見逃さなかった。
「三國志、好きなのかな?」
って!早く教室に戻らないと、香が待ってる!