あの双子に恋しては、いけない
  *

 あの女の子、目が一度も会わなかったけど、会った直後嫌われたりしてないかな?

 そんな心配をしながら春は、2年3組の教室に戻り、借りてきたばっかりの『三國志』を机の上で開いた。

 正直三國志何て好きでもないし、読まないのに「春って真面目な本読まなそう」って小バカにされたから、むきになって借りてきただけの本

 借りた後もなぜか笑われたし。

 少しムスッとしながらも、春は借りてきた『三國志』に目を通した。


 面白くない。

 いや、そんな事言ったら、三國志ファンに申し訳ないか。

 ただ、俺にはフィットしないと言うか、合わないと言うか。

 春は「はぁ~」と大きくため息を付き三國志を閉じた。

 思わず心の中で「封印!」と呟いてしまう。


 あの子大丈夫だったかな。


 って俺、なに考えてるんだ!

 思わず春は、頬を軽く叩いて、顔を潰した。
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