お前が俺を忘れても 俺はお前を愛してる
「どうしたの?そんなに改まって?」


彼女は、心底不思議そうな顔をしながら俺を見てくる。


舞の両手をぎゅっと握り、俺は今まで舞に伝えられなかったことを伝えた。


「俺、もう舞と一緒にいられないんだ…」




「え…」


そんなに時間は経ってないはずなのに、舞からの一言目が出るまで間が、すごく長く感じた。


「意味が…わからないんだけど…」


舞の表情が固まってみえた。


「俺、もう舞とは一緒にいられないんだ。引っ越しするんだ。」


「どうして…なんでこんな急に…」


舞はすごく混乱してた。


「引っ越しの理由は、まぁ色々かな。結構前から決まってたんだけど、俺が舞になかなか言い出せなかっただけ。ごめんな。」


「そんな急すぎるよ…バカ…」


舞は俺の胸の中に入ってきて、軽く俺の胸を叩いた。


「ごめん。」

舞のすすり泣く声が聞こえてきて辛くなる。


「舞。顔を上げて。」


舞は泣きながらも、俺の顔を見てくれる。


「俺が舞に伝えたかったのはこれだけじゃないんだ。」


「え…」
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