お前が俺を忘れても 俺はお前を愛してる

出会い

今でも鮮明に覚えてる。
そんな記憶がある。

俺が小学3年生のときだった…
白いシロツメグサが沢山周りに咲いている、真っ白な教会があった。


そこは俺のお気に入りの場所で、


そしてそこが彼女と初めて出会った場所だった。



「どうして泣いてるの?」


綺麗な黒髪を風でなびかせながら小さな女の子は俺の顔を覗いてくる。


「母さんが…死んじゃった…」


俺は独り言のように呟いた…


「俺、もう母さんと会えないんだ…もう、一生話すこともできないんだ…
そんなの嫌だよ…もっともっと一緒にいたかった…」


なぜだからわからなかったけど、その子の前では、今まで言えなかったら、心の奥底からの気持ちが溢れだした。


するとその子は俺の顔をじっと見つめながら、


「じゃあ、笑顔でいないとダメだよ!!」

と言った。
急に目の前の小さな女の子から出たとは思えないほどの大きな声で言われ俺は驚いた…

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