ジャム
「私の家はね、ここなんだよ。ジャムはどこに住んでんの? …首輪も何もしてないし、やっぱりジャムはノラちゃんなんだね。ずっとそこにいるの? お腹空いてない?」
確かに僕は、エリと出会ったその時から同じ駐車場にいた。つまり、エリの家の駐車場に。いつもは大きな車が置いてあったと思うけど、僕が空になってるのをいいことに居座り始めた昨日から一度もその巨体は帰って来ていない。もしくは、僕にこの場所を譲ったのかもしれない。…そんなわけないか。

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