た い よ う

「おー壮じゃん!おっはー」
机に向かってｼｬｰﾍﾟﾝを走らせていた如月悠は俺の方を向いて手を振ってくる。
如月悠―きさらぎ・はるか―正真正銘の大和男児である。
「何で今日は早いんだよ？」
「いや朝早く起きちゃってする事無いから学校に来たけど誰も居ねぇ…」
「どま」
「うん、乙」
俺は普段通りの会話を済ますと、席についた。
「そーゆー壮は何で早いのさ？」
悠はｼｬｰﾍﾟﾝでﾉｰﾄに何かを書き込みながら話す。
「え？俺は時間を見なかったからさ。こんな早く着くとは思わんかった」
「壮らしい理由で」
「まぁな」