た い よ う
「師匠天才!!」
渚は目を輝かせながらあたしに向かって拍手する。
「い、いや…まぁ」
あたしはどう反応していいか分からずにうろたえて、両手を顔の前で振った。
渚はおにぎりを見つめ、
「そっかぁ全部美味しいもんねぇ」
と呟いている。

…羨ましいなぁ

女の子らしくないあたしが唯一女の子で居られるのは、自分の部屋で一人になった時だけ。
こういう風に堂々と女の子らしく振舞える渚がとても羨ましい。
あたしが今更女の子らしく振舞ったところで皆が引くだけだしな。
< 18 / 61 >

この作品をシェア

pagetop