た い よ う
長谷川とあたしが辿り着いたのは、今さっき渚と昼食を食べた屋上だった。
あたしの前を歩いていた長谷川はコッチを向いてただ一言、あたしに向けて言った。
「辛い時は辛いって言え。泣きたい時は泣け。我慢すんな。」
…完璧不意打ちだった。
あたしは泣きそうな事を隠すかのように強がりを言う。
「何であんたなんかにそんな事言われなきゃならないんだよ」
「だって、今さっきから泣くの我慢してるだろ?」
長谷川のその一言であたしは涙を堪えきれなくなって、長谷川の前だと言うのに涙を流してしまった。

―――あたしはこの日、初めて人前で泣いた。

今思えば、初めて女の子の一面を見せた瞬間でした。
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