た い よ う

挙がった手は、如月悠のものだった。
「俺しますよ」
「おお、如月してくれるか!じゃあ如月と美波に決定。2人は前に出て抱負を言え!」
先生は一人で盛り上がっている。
あたしと如月は席を立ち、先生の横に並ぶ。
「美波柚姫です。実行委員になりました。これから皆で協力して文化祭に向けて頑張りましょう。」
お馴染みの慣れた台詞を口にする。
隣の如月は、
「如月悠だ。よろしく。」
とだけ言い、席に戻った。
つられてあたしも席に戻る。
「じゃあ今日の放課後、実行委員の2人は残っておけ。号令!」
先生の掛け声に合わせて日直が言う。
「起立、礼。」
その声が引き金となり、教室に居た皆は颯爽と教室から出て行った。
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