た い よ う
「じゃあ書いた詞、貸して」
長谷川はあたしに向かって言ってくる。
「…下手だけど気にすんなよ」
「美波が下手なのは最初っから分かってるよ」
「ひどーっ!昨日は上手みたいな事言ってくせにっ!」
「嘘だって。期待してるって」
長谷川は笑って言う。
不覚にもあたしは、そんな長谷川の笑顔を見てかっこいいと思ってしまった。

そんなあたしらを見る如月に気付かずに、あたしと長谷川は気まずさが残りながらも冗談交じりの会話を繰り広げていた。
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