た い よ う
俺は一番気持ちが落ち着く屋上へ向かう。
屋上に着いて、バッグを教室に置き忘れていた事に気付く。
どうせ美波と悠は最終下校時刻まで教室に居るだろう。
俺はバッグの事を頭から離して色んな事を考える。
家族の事。
学校の事。
悠の事。
…美波の事。
改めて思いなおすと涙が出そうだった。
「俺、かっこいい事言ったかな」
そう呟いた瞬間だった。

「――長谷川っ!」
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