た い よ う
「全部美波のせいだ!」
「人のせいにすんなよ!長谷川の勘違いじゃん!」
俺と美波は笑い合う。
今さっきの空気が嘘みたいだった。
「ま、長谷川の誤解が解けたならいいや。あたしは帰るわ。」
美波はそう言うと颯爽と屋上から出て行った。
そして入れ替わりの如く何故か如月がやってきた。
「何で悠が来るんだよ。」
「来ちゃ悪かったか?壮が一人で凹んでるかと思って来てやったんだよ。」
「残念ながらへこんでねーよ。」
如月は俺の胸ポケットから勝手に煙草を取り出し吸い出した。

実を言うと、如月は俺以上の問題児。

煙草は吸うわ喧嘩は強いわ頭は良いわで。
最後のは問題児に関係無いけど。
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