た い よ う

ま、唯一弱点言うと体が弱い。
でも俺から見れば弱点はそれだけ。
「美波さ、壮が出て行ったあとにいきなり追いかけようとするから『壮が何を思おうが美波に関係ないやろ』って言って引き止めたんやけど『あたしには関係あるし』って言って全力で壮を追いかけたんだよね。」
如月は屋上のﾌｪﾝｽに寄りかかって言った。
煙草を吸いながら。
「そうだったんだ」
「うん。まぁ悔しいけど美波は壮の事好きなんじゃない？…勝手な想像だけどさ」
悠は悲しそうだった。
「…そんな事ねぇだろ」
「俺さぁ、てっきり美波は俺のこと好きだろとか思ってたけど、自意識過剰だったよ。今さっき思い知らされた。…俺はなにやっても壮に勝てねぇな」