拷問ゲーム
「高木、今度の拷問は、いたってシンプルだぜ。

根性さえあれば、耐えきれるかもな」




藤城はそう言って、ニヤリと笑った。




オレは藤城の不気味な笑顔を見て、嫌な予感がして、仕方なかった。




「島田、二回戦に使う例のヤツを持ってこい」




藤城にそう言われ、デブの島田は、拷問部屋の隅から、水が並々と入ったタライを持ってきて、
オレの目の前にある机の上に置いた。




オレはその水が並々と入ったタライを見つめながら、これからどんな拷問が始まるのかを想像していた。




「なぁ、高木。

お前は肺活量に自信があるか?」




「そんなこと、あんたには関係ないだろ!」




「だからお前は、バカなんだ。

関係は、大ありだよ」




藤城がそう言ったとき、誰かがオレの後頭部を思いっきり押して、
オレの顔は、勢いよくタライの水の中に沈んでいった。




オレは不意をつかれ、タライの水をたくさん飲んでしまい、
突然、呼吸ができなくなってしまった息苦しさにもだえていた。
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