拷問ゲーム
オレは息苦しさに悶えながら、唯一、自由がきく足をバタつかせ、必死になって水の中から顔を上げようとしていた。




でも、オレの頭を押さえつけている力は強く、オレはこの酸欠地獄から逃げたくても、逃げることができなかった。




助けてくれ!

苦しい!

空気を吸わせてくれ!




そんなオレの心の叫びは、声にならない。




オレが息を吸えないままに、一分が過ぎ、二分を迎えようとしたとき、
オレは自分に死の瞬間が来ることをリアルに感じていた。




これが本当に拷問なら、オレはいつか空気を吸えるはずなのに、そのときが来ない。




このままじゃ、オレは死ぬ。




空気を吸いたい。




誰か、オレを助けてくれ……。
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