拷問ゲーム
「とうした、高木。

ギブアップか?」




オレは藤城のその言葉に、何も答えず、呼吸を整えていた。




オレはギブアップなんてしない。




だけど、今の無防備な状態で、藤城に逆らうのは、恐ろしい。




あと三十秒、オレが空気を吸えなかったら、オレは意識を失っていたかもしれないし、
もしかしたら、死んでいたかもしれない。




もし手違いで、オレが死んだら、藤城はどうするつもりだったのだろう。




オレがそんなことを考えていたとき、また誰かがオレの頭を押さえつけて、オレの顔は、水の中に沈んでいった。
< 157 / 306 >

この作品をシェア

pagetop