拷問ゲーム
オレは意識を失いかけたところで、ようやく顔を水の中から出すことを許された。




オレは死にそうなほどの息苦しさの中、必死になって、空気を吸い込み、肩で息した。




オレの心臓は、狂ったようにドキドキと音を立て、オレは無防備な自分の存在に恐怖していた。




藤城のちょっとしたさじ加減で、オレは気を失うかもしれないし、
もしかしたら、死ぬかもしれない。




そう思うと、オレは死ぬほど憎い藤城に媚を売ってでも、自分の身を救いたかった。




「藤城さん、ちょっと待って下さい。

オレに考える時間を下さい。

お願いですから」




オレが泣きそうな顔でそう言うと、拷問部屋にいる藤城の部下たちが、オレを見ながら、ゲラゲラと笑った。
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