拷問ゲーム
オレと志村がモニターを見つめている中、大和田への拷問がついに始まった。




大和田はオレがされたのと同じように、後頭部を押さえつけられ、水の中に顔を沈められた。




大和田の顔が水の中に沈んで、少し経つと、大和田は息苦しさに悶え始めた。




大和田は固定されている体を左右に揺らし、足をバタつかせて、もがいていた。




オレは大和田の苦しさを思うと、自分までもが息苦しくなってきた。




オレには今の大和田の気持ちがよくわかった。




あの悶え苦しんでいる大和田の姿は、さっきまでのオレだ。




逃げたくても、逃げることもできず、
空気を吸いたくても、空気を吸わせてはもらえない。




オレは志村みたいに、他人の不幸をよろこばないけど、
今回ばかりは、このまま大和田に死んで欲しいと思った。




大和田が死ねば、拷問ゲームが終わる。




そして、そのときの勝利者はこのオレだから。
< 176 / 306 >

この作品をシェア

pagetop