拷問ゲーム
「止めて下さい!」




美憂がそう言って、志村に思いっきり体当たりをした。




その勢いで、志村はよろけ、志村の足がオレの後頭部からようやく離れた。




「あなたの方が人間らしいですって?

そんなわけないじゃないですか。

あなたたちは、最低です。

人間は弱いから、助け合って生きていくものでしょ。

困った人がいたら、助けるのが当たり前でしょ。

それなのに、どうして?

どうして、あなたたちは……」




「お姉ちゃん、あんたの言い分は、間違ってる」




泣きながらまくし立てている美憂の言葉を、藤城が遮った。




「人は人を助けたりはしないんだ。

他人の痛みなんて、自分にはわからねぇからな。

他人を助けるヤツは、損得勘定してる偽善者って、相場が決まってる。

善人ぶって、残酷なのが本当の人間の姿なんだ」
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