拷問ゲーム

｢お前、何で泣いてんだよ？｣




美優はオレがそう言ったとき、うつむきながら、オレに答えた。




｢悲しいことがあったの。

でもね、いつものことなんだ。

悲しいことって、毎日起きても慣れないんだね｣




｢悲しいことって、何だよ？｣




｢家庭のこと。

私ね、帰る場所がないの｣




｢どういうことだよ？｣




｢私の母親がね、男を連れ込んだとき、私はアパートに入れないの｣




｢お前の母親って、勝手なヤツだな｣




｢うちのお母さんは、まともに働けない人だから、男に金をせびるのよ｣




｢そういう親だっているだろ？

そんなことで泣くんじゃねぇよ｣




オレはそう言って、泣いている美優を見つめていた。