拷問ゲーム
｢守くん……｣




大和田を心配した恋人の遥香が、泣きそうにな顔で、大和田を見つめていた。




｢もう、無理しなくていいよ。

私ね、もう十分なんだ。

私のために守くんが、たくさん頑張ってくれたから｣




大和田は遥香に言葉をかけられても、下を向いたまま、何も言わなかった。




オレには、青ざめた顔をしている大和田の気持ちが、よくわかった。




恋人は守りたい。

でも、拷問に耐える自信もない。

恋人を裏切る理由なんて、考えればいくらでも溢れてくる。

本当に守るべきものは、恋人なのか、自分なのか。

大和田はそのことを真剣に悩んでいるはずだった。
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