拷問ゲーム
「私ね、うれしかったんだ。

私のために、守くんが必死になって戦ってくれて……。

でも、もういいんだよ。

だって、悪いのは私だから……。

私、自分の借金は、自分で返すよ。

だからね、守くんはもう負けを……」




「僕は負けない!」




大和田は泣きながら、そう叫んだ。




「僕は絶対に負けない!

僕は弱くて、臆病で、いいところなんて何もないけど、
絶対に遥香さんを守る!

僕は遥香さんだけには、つらい思いをさせないんだ!」




オレは大和田のその言葉を聞くと、息苦しくなって、急に鼓動が速くなった。




〈 大和田、もういいだろ?

お前だって、苦しいだろ?

だから、もう負けを認めろよ。

遥香の不幸を受け入れろよ 〉
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