拷問ゲーム
しばらく続いた拷問部屋の沈黙を破るように、
大和田が藤城に怯えて、目を泳がせながら叫んだ。




「や、やめて……。

もう、やめて下さい」




その言葉を聞いて、大和田はもう限界なんだとオレは思った。




どんなに恋人が大切でも、自分の体が壊れていく恐怖を克服することって、普通じゃできない。




もしも自分の指が使えなくなって、これから先、五十年間生きていくとしたら、
それはきっとつらいことだと、オレは思う。




もしかしたら大和田は、使えなくなった指を見て、後悔するかもしれない。




大切な恋人を憎んでしまうかもしれない。




大和田は負けを認めるべきだとオレは思う。




ここまで頑張ったら、遥香だって、大和田を憎んだりはしないから。
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