拷問ゲーム
「見捨てちまえよ。

立花遥香のことなんて。

恋人って言ったって、所詮は他人じゃねぇか?

なぁ、大和田、『参りました』って、言っちまえよ」




「僕は……。

僕は……」




気が弱そうな顔つきの大和田が、泣きながらそう言って、藤城の顔を見ていた。




「大和田、ギブアップか?

遥香を見捨てるんだろ?

遥香だって、しだいに慣れるさ。

遥香はたくさんの男をよろこばせて、借金を返せるんだぜ。

遥香はいつか、オレたちに感謝するんだ。

素敵なお仕事をさせてくれて、ありがとうってな!」




「僕は……、

僕は……」




目を真っ赤にして泣いている大和田をオレはモニター越しにじっと見ていた。




「降参しないんだぁ!」




大和田が叫ぶようにそう言ったとき、オレのとなりで、志村が手を叩いてよろこんだ。
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