拷問ゲーム
オレは志村がゲラゲラと笑う声を聞きながら、じっとモニターを見つめていた。




大和田が拷問に耐えたならば、次に拷問を受けるのは、このオレだ。




オレはモニターを見つめながら、胃がキリキリと痛んで、両手で腹を押さえていた。




「気が弱そうな顔してるくせに、根性見せるじゃねぇか!

おもしれぇ。

拷問ゲームは、大和田みたいなヤツがいると盛り上がるんだ」




藤城はそう言うと、中川に目を向けた。




「中川、ハンマーを持ってこい!

今から大和田の指を砕く!」




藤城の言葉を聞いて、大和田が拷問椅子の上で暴れ出す。




〈 藤城は本気か? 〉




オレは拷問椅子の上で暴れる大和田を見ながら、
自分があの拷問椅子に座って指を砕かれる瞬間を想像していた。




きっとその瞬間、想像を絶する激痛と絶望がオレを襲うだろう。




後悔や失意がオレを包み込むだろう。




指の骨を砕かれた瞬間に、大和田の未来は大きく変わる。




オレはそのことだけは、確信していた。




骨を砕かれた指は、もう元には戻らない。
< 247 / 306 >

この作品をシェア

pagetop