拷問ゲーム
「大和田、世の中には理不尽なことがたくさんあってよ、
それもどういうわけか、弱者や貧乏人だけが理不尽な目にあうんだ。

大和田だって、思ってるだろ?

どうして自分だけが、こんなつらい思いをしなくちゃならないんだって。

オレにはお前の気持ちがよくわかるぜ。

オレもガキの頃は、いつも理不尽な暴力に苦しんでたからな」




藤城はそう言いながら、大和田の髪をむしるように引っ張り、
みっともなく泣いている大和田をにらみつけた。




「拷問ゲームはよ、理不尽な思いをしながら、毎日を過ごしてきたオレの復讐戦なんだ。

オレはいつも思ってた。

虐げられる側の人間から、虐げる側の人間になりてぇってな。

オレはそんなガキの頃の夢を叶えて、今、お前の目の前にいるんだよ。

だからオレは、泣き叫ぶお前を見て、最高に幸せなんだ。

オレは大和田じゃなくて良かった。

オレは変われたんだってな」
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