拷問ゲーム
正しい選択
「拷問ゲームも三回戦まで来るとよ、まともな人間は負けを認めるんだよ。

だってそうだろ。

自分の体に障害を残してまで助けたい恋人なんて、本当はいないんだ。

偽善者が耐えられるのは、二回戦までだ。

この三回戦で、お前の偽善の仮面が剥がされる」




オレは藤城の言葉を聞きながら、ぼんやりと考えていた。




大和田の指は、これからどうなるんだろう?




大和田の指は将来、まともに動くのだろうか?




「なぁ、高木。

自分に素直になれよ。

美憂よりも大切なのは、お前の指だろ?」




オレを取り囲む藤城たちは、苦しむオレの様子をうれしそうに見ていた。




オレの不幸は、どれくらいこいつらをよろこばせているだろう?




オレはそう思うと、悔しくて目を閉じた。
< 263 / 306 >

この作品をシェア

pagetop