拷問ゲーム
「この人、誰なの?

圭介の知り合いなの?」




美由紀がみすぼらしい美憂の姿に眉を潜め、小声でオレに話しかけてきた。




オレは美由紀のその言葉に何も答えず、美憂をじっと見つめていた。




どうして美憂は、こんな廃人になってしまったのか?




藤城のせいか?

志村のせいか?

それとも、オレのせいなのか……。




「私、幸せになりたい……」




焦点が合わない目で、オレの顔を見つめながら、美憂がぽつりとつぶやいた。




「何なの、この女……。

気持ち悪い……」




美由紀がそう言って、オレの腕を引っ張った。




でもオレは、そんな美由紀を無視して、美憂の顔を見つめていた。
< 292 / 306 >

この作品をシェア

pagetop