拷問ゲーム
「いやぁぁぁぁぁ!」




美憂の悲鳴が聞こえた。




耳に残るような嫌な声だった。




そして美憂がオレを追いかけてくる足音が、オレの耳に入ってきた。




オレは美憂がオレを追いかけてくる姿を想像しながら、
それでも振り返ってはいけないと思った。




今ここで、オレが振り返ったら、オレは美憂を断ち切れない。




オレの背後に美憂の足音が近づいてきて、
美憂の体がオレの背中に勢いよく当たって、
オレは一瞬、よろけてしまった。




そして次の瞬間、オレの腰に燃えるような激痛が走った。




オレはその激痛に思わずうめき声を上げ、ゆっくりと振り返った。




するとそのとき、オレと美憂の目が合って、
美憂はオレの顔を見て、ニヤリと笑った。
< 297 / 306 >

この作品をシェア

pagetop