拷問ゲーム
「お、お母さんが、急にいなくなっちゃったの……。

お母さんの服とか、化粧品とか、バッグとか、
全部持っていなくなっちゃったの……」




「美優、もう泣くなよ。

お前が悪いんじゃないから……」




「圭介、私、これからどうしていいか、わからないよ。

私、一人ぼっちになっちゃったよ」




美優がそう言って、声を上げて泣いているとき、
アパートの玄関のドアが開いて、スーツ姿の五人の男たちが、美優のアパートに入ってきた。




「誰だよ、お前ら!」




オレが突然の侵入者に声を荒げたとき、人相の悪い男がニヤリと笑ってオレに言った。




「オレたちは、その子を保護しに来たのさ」




オレはそう言った人相の悪い男に、とてつもない悪意を感じた。




オレも不良だから、悪いヤツは、匂いでわかる。




目の前にいるその男は、間違いなくヤバイ男だった。
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