拷問ゲーム
「止めろ、美憂!

お前、どうかしてるぜ!」




美憂は右手に持っているナタを、本当に振り下ろすかもしれないって、オレは思った。




美憂はきっと正気じゃない。




美憂はもう、オレが知ってるあの美憂じゃないんだ……。




「圭介、答えて!

大切な恋人を守るために、苦痛に耐えるのは、正義ですか?

それとも悪ですか?」




「いったい何なんだよ!

何が言いたいんだよ!

そんなこと、正義じゃねぇよ。

自己犠牲は、悪に決まってるだろ!」




「不正解……」




美憂はポツリとそうつぶやいて、右手に持っているナタを振り下ろした。
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