拷問ゲーム
「そのお姉ちゃん、たしか名前は森下美優だな。

あんた母親に売られたんだよ。

気の毒になぁ」




藤城がそう言って、ゲスな顔で笑ったとき、オレは怒りにまかせて、怒鳴っていた。




「美優の母親が何を言ったとしても、そんなの美優には関係ない!

お前ら、ここから出ていけ!」




「お兄ちゃん、オレはお金さえ返してもらえれば、すぐに帰るよ。

全部で、一千万円。

お兄ちゃんに返せるのかい?」




「そんな金、あるわけないだろ!」




「そうだよな。

なら、お兄ちゃんに用はないんだ。

話があるのは、森下美優だ」
< 32 / 306 >

この作品をシェア

pagetop