拷問ゲーム
「僕は……。

僕は……」




気が弱そうな顔つきの大和田が、泣きながらそう言って、藤城の顔を見ていた。




「何だよ、クソガキ。

もうギブアップするつもりかよ!」




オレのとなりで、ゲスの志村がそうわめいたとき、オレは志村に怒りを覚えた。




この志村って男は、他人の不幸が大好きだ。




人が困ってるとき、苦しんでいるとき、辛いとき、志村はその状況を楽しんで、ゲラゲラと笑っていやがる。




オレは、そんな志村をタコ殴りにしてやりたい衝動にかられていた。




でも、オレが拷問者たちにおかしな行動をすると、
オレの首にまいてある鉄の首輪から、強烈な電気が流れることになっている。




拷問ゲームの参加者は、このゲームに参加している限り、拷問者たちの奴隷のような存在だ。




だからオレは、こんなゲスの志村にすら逆らえない。




オレは志村に言いたい言葉をのみ込んで、大和田が映るモニターを見つめていた。
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