拷問ゲーム
「高木、お前はさ、ガキの頃、昆虫を捕まえて遊んだことがあるか?」




オレは、オレにそう話しかけてきた藤城を無視した。




「オレもガキの頃は、弱い立場の人間でよ、親から虐待を受けて育ったんだ。

虐待ってヤツは、本当に理不尽なんだよ。

ガキってヤツは、大人から見れば、本当に弱い存在だからよ。

ガキがどうあがいたって、大人には勝てやしない。

でも、オレは思ったね。

オレはいつか、こいつらと立場を逆転させて、こいつらをぶっ殺してやるって」




オレはなるべく、藤城の言葉を聞き流そうと思った。




藤城の話を聞けば、余計に不安が大きくなる。




オレは感情をなくした石のような存在になりたかった。




だけど藤城は、そんなオレに話を続けた。
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