拷問ゲーム
「高木、お前にオレの部下の拷問者を紹介してやるよ。

お前だって、拷問者の名前くらい知りたいだろ」




藤城はそう言って、床に這いつくばっているオレに、拷問者の紹介を始めた。




「この痩せて、目つきの悪いヤツが、中川竜男だ。

傷害の常習者で、悪さばっかりするヤツだから、オレが見かねて、こいつを拷問者に誘ったんだ」




オレは藤城にそう言われ、中川に目を向けた。




中川は無表情だが、そこにいるだけで、オレに悪意をまき散らしていた。




「このデブで、図体のやたらデカイヤツが、島田義之だ。

こいつはバカで、食い意地ばっかり張ってるヤローだ。

島田はバカだから、手加減とか知らねぇぜ。

まぁ、そこが、かわいいところなんだけどよ」




オレは藤城にそう言われ、島田に向けた。




瞳に光が感じられず、口を開けっぱなしのその顔を見ると、オレは島田がバカだということを納得した。




バカは怒らせると怖い。




オレは今までの不良仲間を見てきて、そのことをよく理解していた。
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