年下男子とリビドーと
それは、結婚を意識しても、同じだ。
同じ頃、お母さんが一度連れて来いとうるさかったので、お姉ちゃんも呼んで4人で食事をした。
紘希もさすがに三者面談は嫌がるかと思って避けたけれど、これはこれでふたりから質問攻めに遭い、弱っていた。
「この子ももう良い歳でしょう?心配してたのよ……でも、こんな素敵な人が居てくれて、安心したわ」
お母さんは終始笑顔で、その場を楽しんでいた。
「莉南はあんまり感情を表に出さないけど、紘希さんの前では良い顔してるね」
お姉ちゃんも大笑いなんかはしないじゃないか、と感じつつも、微笑んでくれたので、嬉しかった。
わたしはすぐに結婚とは考えていなかったけれど、そりゃあ女の子だから、いつかは好きな人と結婚したい、くらいには考えていた。
ふたりと別れた後、紘希に「やっぱり結婚のこと考える?」と訊かれた時、不安げな顔をしていたのが印象的だった。
だから「いつかはね」と、笑顔で返した。
それがいけなかったのかな。
あれから更に1年半が過ぎたけれど、何の兆しも読み取れない。
紘希はきっと、まだ独身を満喫していたいのだろう。
今の、縛られない関係だから、わたしと一緒に居るんだろう。