年下男子とリビドーと

わたしは会話を聞きながら考えていた。
共有フォルダでのやり取りはお互いに手間がかかるので、何せ送る側はスキャンするだけの複合機を使用する方が手間が減るのは確かだ。
わたしは眉間を寄せて、俯き気味で頭を働かせる。

「冴木さん?」

わたしが難しい顔をしているからか、成海くんが反対側から声を掛けて来たが、無視した。

書類をPCに取り込んだら、ビューワーに入る……自分のボックスでなく共有ボックスを開きたい……。
共有ボックス用のアカウントを作ればいいんじゃないのかな……それを、決まったPCで管理すれば……。
頭に浮かんだ考えに、ピンと来て顔を上げる。
しかし、わたしは提案をするかどうか迷った。

「冴木さん、何か思い付いたんですか?」

様子を伺っていた成海くんが、再び声を掛けて来た。
その声に、社員のふたりも振り向く。

3人の視線を一斉に浴び、わたしはたじろぎながらも、口に出した。

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