年下男子とリビドーと
わたしは遂に決意した。
紘希に別れを告げると。
話があるから部屋に行くと、一方的に連絡を入れておいた。
今日は早上がりだったのでまだ21時前だけれど、既に部屋の灯りは点いている。
鍵を開け中へ入ると、ローテーブルの前に座っている紘希が振り向き微笑んだ。
「おつかれ。どうしたの? 神妙な顔して」
わたしはズキズキと痛む胸を押さえて、表情を変えずに紘希の斜め前に座った。
これから起こるであろう出来事を予想すると、気が重かった。
紘希が一体どんな反応を示すのか……。
すんなりと終わるとは思えなかった。
「ご飯食べてないでしょ? 何か食べに行く?」
紘希はやはり微笑んでいる。
食べに行こうなんて、珍しいことを言う。
あぁ、そうか……話を聞きたく無いのかな。
何の話だと思ってるんだろう。
何の話だとしても、聞かない気でいるんだろうか。
「外だと話しにくいから、いいよ。それに今日は、話をしに来ただけだから」
わたしの言葉を聞いた途端に、険しい表情に変わる。
沈黙が流れた。
意を決して、口を開く。