年下男子とリビドーと
「紘希。わたし……」
言葉を詰まらせてしまう。
ちゃんと言わないと。
そう思ったのに、ここへ来て、紘希との3年間が、走馬灯のように脳裏を駆け巡った。
その様子は、とてもキラキラと輝いて見えて、目頭が熱くなる。
駄目だ。
わたしが泣いちゃ、いけない。
涙をぐっと堪えて、言葉を絞り出す。
「別れようと、思ってるの」
僅かに声が震えた。
「……何言ってんの?」
少しの沈黙の後、低く重たい口調でつぶやいた紘希は、見たことのないような冷たい視線をわたしに向けて来た。
ゾクッと、背筋が凍りつく。
「……好きな人が、出来た……。ごめんなさい。本当に、ごめんなさい……」
深く頭を下げた。
すると顔を掴んで上を向かせられ、いきなりキスをされた。
「!!」
必死で拒もうと胸元を叩いた手首を、両手とも掴まれ、振りほどけない。
なんて力……痛い。
紘希はわたしの胸元に手をやり、服を脱がせようとしている。
もう別れるって決めたのに……どうして話し合いしてくれないの?
こんな無理矢理、犯すみたいな真似して……。
哀しみのあまり、涙が溢れて止まらなかった。