年下男子とリビドーと
わたしは成海くんに差し入れを贈ろうと思い付いた。
何を贈るのがベストなのかはよくわからなかったので、色々な食品やリフレッシュグッズを少しずつ詰めた。
溶けないチョコやクッキーなど甘いお菓子、スティックタイプの栄養食品、栄養ドリンク、経口補水液のゼリー、目元や足を暖めるシート、冷感シート。
しかし、決まったロッカーが個人に与えられていないため、成海くんとシフトが被っている鹿島さんに『成海くんに渡して欲しい』と協力をお願いした。
鹿島さんは快く引き受けてくれた。
次の出勤時、ややドキドキしながら鹿島さんの隣に座り、成海くんの様子を問う。
「成海くん、何か言ってた……?」
「うん……『ありがとう』って伝えてくれって」
え、それだけ……?
鹿島さんの目は何か泳いでいるように見て取れた。
もしかして、迷惑だった……?
困らせたのかな。もうわたしのこと重くなったから、避けてるのかな。
途端に表情を曇らせたわたしに、鹿島さんは困惑しているようだった。