年下男子とリビドーと

そのまま盆に突入し、センターは営業していたが、人もまばらな日が続いた。
成海くんは実家にでも帰ったのだろうか、全くシフトは入っていないようだった。


盆が明け数日、センター長と課長の口から正社員登用の結果が発表されることとなった。
此処数ヶ月続いた三者面談も、今日は一段と空気が張り詰めている。

「冴木莉南さん。あなたを我社の正社員として」

息を飲み、センター長の言葉を待った。


「採用します。おめでとうございます」


「……っ! ありがとうございます!!」

やった……!
お辞儀をして会議室を出た途端、足取りは軽く、飛び上がれそうな気分だった。
わたし、正社員になることが決まったんだ。
成海くん、あなたが背中を押してくれたおかげで……。

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